日本スポーツマンシップ大賞 2026
~優れたスポーツマンシップを発揮した個人・団体を表彰~
「日本スポーツマンシップ大賞/Japan Sportsmanship Awards」は、尊重・勇気・覚悟を備えたよきスポーツマンとしての振る舞いや、よきスポーツマンシップを示した個人・団体などを表彰する取り組みです。単なる勝敗を表彰するだけではなく、こうした事例にスポットライトを当てることで、スポーツマンシップの普及・啓発を進める上で、スポーツに取り組むべき姿勢やスポーツを愛するみなさんがめざすべき、スポーツマンという存在の意義・価値がよりわかりやすく伝わることを期待します。
ノミネート
日本スポーツマンシップ大賞 ノミネート
新庄 剛志

| テーマ | 対戦相手とともに創る熱狂、エンターテイナーのスポーツマンシップ |
|---|---|
| 内容 | 北海道日本ハムファイターズの新庄剛志監督は、プロ野球が「対戦相手」や「審判」さらには「ファン」「スポンサー」などの存在があって初めて成立するものであるというスポーツそのものの構造・本質を深く理解し、周囲に対するリスペクトをエンターテインメントとして表現し続けている。2025年6月のセ・パ交流戦、阪神タイガースとの一戦では、試合前のメンバー表交換で阪神の藤川球児監督や審判団を巻き込んでホームベース上で「円陣」を組み、球場を大いに沸かせた。さらに同試合では、阪神・佐藤輝明選手のプロ通算100号本塁打に対し、自らベンチ前に出て拍手で祝福を送るなど、チームの垣根を超えた美しい光景を創り出した。また、熾烈な首位攻防戦となった8月の福岡ソフトバンクホークス戦においても、試合前に同学年の小久保裕紀監督と満面の笑みで力強くハイタッチを交わした。緊迫したペナントレースの最中であっても、審判団やファンを自然と笑顔にするその振る舞いは、相手チームを排斥すべき「敵」ではなく、「最高の試合をともに創り上げるパートナー」という構造をよく理解し、尊重している証である。これらの行動は、SNSなどで「器が大きい」「野球ファン以外も惹きつける」と大きな反響を呼び、相手チームのファンをも虜にしている。 |
| 競技 | 野球 |
| 評価 | 尊重◎/勇気◎/覚悟◎ |
| 選考理由 | プロスポーツビジネスの舞台で、極めて高い次元で「尊重」を体現している点を評価する。新庄監督は「相手がいなければゲームは成立しない」という構造的真理を理解し、「対戦相手はともにGood Gameを創り出す『よき仲間』である」ということを自らの行動で示している。相手監督との笑顔の交流や、相手選手の偉業への拍手は、その最たる例である。さらに特筆すべきは、これらの行動が「プロスポーツはエンターテインメントである」と深く理解し、観る「ファンに対する最大のリスペクト」に基づき、「自らの想いを行動に移す勇気」を発揮した振る舞いだということ。勝利至上主義に陥ることなく、グラウンド上のあらゆる事象を愉しさに変え、社会全体にスポーツの魅力を発信し続けるその姿勢は、新たなスポーツマン像の模範であるといえよう。 |
武 豊

| テーマ | 勝利への執念を超え、スポーツの未来を拓く「レジェンド」の品格 |
|---|---|
| 内容 | 2025年9月28日、G1スプリンターズステークス。武豊選手は2着と惜敗した直後、JRA・G1通算127度目の挑戦で悲願の初制覇を遂げた後輩・三浦皇成選手に対し、即座に「おめでとう、長かったな」と声をかけ、心からの祝福を伝えた。自らの敗戦の悔しさを見せることなく、年下のライバルの長年の努力と栄誉を真っ先に称えるその振る舞いは、競馬界のみならず多くのファンに深い感動を与えた。また、こうした「Good Loser」としての精神は、競馬という枠組みをも超えて広がっている。2025年10月、バスケットボールBリーグの京都ハンナリーズと「ゴールドパートナー」として個人スポンサー契約(3季連続)を締結したことが発表された。一競技のアスリートが、個人として他競技のプロチームを最高位ランクのパートナーとして支えるのは極めて異例であるといえる。自らの出身地である京都のスポーツ文化を守り、競技の垣根を超えてスポーツ界全体の発展を願うその姿勢は、トップアスリートとしての新たな社会貢献の在り方を示している。 |
| 競技 | 競馬 |
| 評価 | 尊重◎/勇気〇/覚悟◎ |
| 選考理由 | スプリンターズSで三浦騎手に対して見せた振る舞いは、ライバルとしてしのぎを削る間柄でありながら、同じ競技を愛する仲間同士「Good Loser」としての精神を示したものであった。自らの勝利を追求しながらも、敗れた瞬間に相手の歩みを尊重する器の大きさは、業界のリーダーとして、全アスリートが模範とすべきものである。さらに、他競技への個人協賛という行動からは、スポーツを「自分たちの場所」としてだけではなく、社会全体の共有財産として育もうとする強い「覚悟」と責任感が伺える。競馬界のレジェンドでありながら、スポーツ界全体の良き理解者として私財を投じてまで貢献するその姿は、スポーツマンシップを「文化」として根付かせるための象徴的な存在である。 |
東京都スポーツ推進本部

| テーマ | サインエール(Sign-Yell)─ 誰もが共にアスリートへ想いを届ける応援スタイルの創造 |
|---|---|
| 内容 | スポーツの応援は音と聴覚を前提としたものが主流だが、きこえない・きこえにくいアスリートによる「デフスポーツ」の世界では観客の応援がアスリートに届きにくく、「声援は嬉しいがあまり伝わらない」「もしも応援を感じ取れたらもっと力になる」という声が現役デフアスリートから上がっていた。こうした課題に応えるべく、東京都スポーツ推進本部は東京2025デフリンピックに向けて新しい応援スタイル『サインエール』を開発した。日本の手話言語をベースに「目で世界を捉える人々の身体感覚」から創られた視覚的応援のカタチで、ろう者を中心とした制作メンバーとデフアスリートが共同で開発。全日本ろうあ連盟・東京都聴覚障害者連盟・筑波技術大学などの助言も得て、「行け!」「大丈夫 勝つ!」「日本 メダルをつかみ取れ!」の3つの基本要素で構成された。大会期間中はろう者を中心とした「サインエール応援団」が各競技会場に派遣され、観客が一体となってデフアスリートを後押しした。「今までにない体験」「本当に力をもらった」と選手・観客から好意的な声が届いた。大会後には活用ガイドを公開し、非営利・申請不要での利用を認めるなど、大会レガシーとして普及・継続される枠組みも整えられた。 |
| 競技 | デフリンピック |
| 評価 | 尊重◎/勇気◎/覚悟◎ |
| 選考理由 | スポーツマンシップが説く「尊重」とは、相手・仲間・ルール・審判など、スポーツを取り巻くすべてに対する尊重である。サインエールの取り組みは、きこえない人々の文化・言語・身体感覚を「補うもの」としてではなく「応援文化そのものの基盤」として位置づけた。これはデフアスリートとそのコミュニティへの深い尊重の実践にほかならない。また、「音による応援が当たり前」という既成概念を超え、行政・ろう者コミュニティ・競技団体・アーティストが連携して未知の応援スタイルを創造するには、確固たる「勇気」が求められた。そして、大会後も活用ガイドの公開や応援団結成の自由化によってレガシーとして継続・普及させようとする姿勢には、インクルーシブなスポーツ文化を社会に根づかせるという揺るぎない「覚悟」が感じられる。 |
張本 智和

| テーマ | 逆境を「リスペクト」で凌駕する。完全アウェーで見せたエースの品格と不屈の覚悟 |
|---|---|
| 内容 | 2025年12月、中国・成都で開催された「ITTF混合団体ワールドカップ」。完全アウェーの過酷な環境下、張本智和選手(トヨタ自動車)は試合中、観客からの激しいブーイングにさらされ続けた。さらに韓国戦の選手紹介では、妹・美和選手の名が誤ってアナウンスされるという運営上の不手際も重なり、競技に集中することすら困難な状況であった。しかし張本選手は一切感情を乱すことなく一球一球に集中し、日本チームを準優勝へと導いた。大会後のインタビューで、彼は「中国の選手には何も非がないですし、ただただ彼らは強いだけ。彼らに実力で勝って、次は金メダルを獲れるように全員で頑張りたい」と語った。観客の行為と対戦相手の強さを峻別し、ライバルへの敬意を失わないその姿勢には、世界トップを争う者としての深い覚悟が宿っていた。また、同年8月、「WTTチャンピオンズ横浜2025」男子シングルス決勝においても、彼のスポーツマンとしての品格が光った。世界ランク上位の王楚欽(中国)を4-2で下した直後、自らの歓喜を爆発させる前に、まず相手選手や審判と一人ひとり丁寧に握手を交わし、その後に初めて感情を解放したのである。 これらの誠実な振る舞いは、SNS上で広く称賛を集め、多くの人々に感動を与えた。 |
| 競技 | 卓球 |
| 評価 | 尊重◎/勇気◎/覚悟◎ |
| 選考理由 | 張本選手が示した「感情をコントロールしながら競技に真摯に向き合う姿勢」と「相手への深い尊重」は、スポーツマンシップの真髄を体現している。「尊重(Respect)」とは、いかなる状況下でも対戦相手をGood Gameを創るパートナーと認めることである。張本選手が逆境の中で放った「相手選手に非はない」という言葉は、負の感情に支配されず、正々堂々と実力差を受け入れる「覚悟」と、競技そのものを尊ぶ知性を証明している。 また、勝利の瞬間に自らのエゴを排して握手を優先した行動は、「Good Winner(よき勝者)」の定義を体現している。身体・知性・精神を一致させ、過酷な状況下でも「信頼に足る人物(スポーツマン)」であり続けたその姿勢は、次世代のアスリートが目指すべき指針であり、本賞に相応しい。 |
福留 慧美

| テーマ | 笛が鳴れば「生涯の友」 国境を超えた絆とリスペクト |
|---|---|
| 内容 | バレーボール女子日本代表のリベロ・福留慧美選手は、2025年6月のネーションズリーグ予選ラウンド・イタリア戦において、スポーツの美しさと競技を超えた友情を見事に示した。試合はフルセットに及ぶ死闘となり、日本は2-3で惜敗して大会初黒星を喫した。この試合で特に注目を集めたのが、162センチの福留選手と、イタリア代表のエースで193センチの高さを誇るパオラ・エゴヌ選手とのマッチアップである。強烈なスパイクを放つエゴヌ選手に対し、福留選手は体を張ったレシーブで何度も食らいついた。この両者はイタリア・セリエAの「ミラノ」に所属するチームメイトであり、この日は国の威信を背負い最大のライバルとして激突していたのである。激闘の末敗れたが、福留選手は試合後のインタビューで「愉しかった」と満面の笑みで語った。試合後、両者はアリーナの一角で腕を組み、互いの頭を寄せ合いながら笑顔で記念撮影に応じた。国際バレーボール連盟の公式SNSも「Enemies till the final whistle. Friends for LIFE.(試合終了の笛が鳴るまでは敵同士。生涯の友。)」「That’s the beauty of this game.(それがこの競技の美しさだ。)」と発信。全力を尽くして戦い抜いた後、互いをたたえ合うその姿に、世界中から多くの称賛が寄せられた。 |
| 競技 | バレーボール |
| 評価 | 尊重◎/勇気〇/覚悟◎ |
| 選考理由 | 国際舞台において、「尊重」の姿勢を純粋かつ美しく表現した事例である。対戦相手は憎むべき敵ではなく、ともにGood Gameを創り上げる「よき仲間(Good Fellow)」である。福留選手が、身長差30センチ以上もある世界最高峰のアタッカーに一切ひるむことなく立ち向かった「勇気」と「覚悟」もさることながら、激闘の直後に心からの笑顔で相手と健闘をたたえ合った振る舞いは、相手への深い「尊重」そのものである。負けた悔しさもあるはずだがそれでも「愉しかった」と語れる姿勢は、全力を出し切ってスポーツを心から愉しむという、スポーツマンとして最も大切にすべき精神の現れである。 |
藤田 さいき

| テーマ | 限界を超えた死闘の末に示した、勝者を称える「敬意」の笑顔 |
|---|---|
| 内容 | 2025年5月11日、国内女子ゴルフのメジャー初戦「ワールドレディスサロンパス杯」最終日。茨城ゴルフ倶楽部 東コースを舞台に、プロ21年目のベテラン・藤田さいき選手は、スポーツ史に残る壮絶かつ気高き戦いを見せた。大会期間中から体調を崩していた藤田選手は、当日は39度を超える高熱という、本来ならば棄権してもおかしくない満身創痍の状態でティーオフ。一時は首位を快走するも、百戦錬磨の申ジエ選手に追いつかれ、勝負はプレーオフへと持ち込まれた。 プレーオフ1ホール目、申選手が劇的なバーディーパットを沈めて決着がついた瞬間、藤田選手が見せた振る舞いは、自身の敗北が決まった直後にもかかわらず、ライバルの勝利を心から讃えて満面の笑みで拍手を送り、さらにギャラリーへ向けても勝者への拍手を促すというものであった。競技終了直後、一歩も歩けなくなるほどの限界を迎えていた藤田選手は、そのまま救急車で搬送される事態となったが、その壮絶な背景を知る申選手も、藤田選手が体調不良を一切言い訳にせず最後までベストを尽くした姿勢に深い敬意を表明した。自らの肉体的苦痛や敗戦の悔しさよりも、対戦相手へのリスペクトを優先したその姿は、ゴルフという競技の尊厳を象徴する出来事となった。 |
| 競技 | ゴルフ |
| 評価 | 尊重◎/勇気◎/覚悟◎ |
| 選考理由 | 39度超の熱という棄権も危ぶまれる状態で最後まで戦い抜き、プレーオフを完走した「勇気」と「覚悟」は、プロフェッショナルとしての強い責任感の現れである。そして、特筆すべきは、敗北が決まった瞬間に真っ先に相手を称えた「尊重」の精神である。「対戦相手とともにグッドゲームをつくる『よき仲間(Good Fellow)』」として、自らの限界を超えた状態でも最優先した姿勢は、スポーツが単なる勝敗を超えて人格を示す場であることを証明しているといえよう。救急搬送される直前まで笑顔を絶やさず、Good Loserとしての品格を保ち続けたその振る舞いは、勝敗を超えたスポーツの本質的な価値を社会に示した。 |
三浦 龍司

| テーマ | アクシデントを受け止めるトップアスリートの品格 |
|---|---|
| 内容 | 2025年9月に開催された東京世界陸上の男子3000m障害決勝において、三浦龍司選手が見せたレース後の振る舞いが多くの称賛と感動を呼んだ。日本記録保持者として、日本勢史上初のメダル獲得を期待されて臨んだ大舞台。三浦選手は痛めていた右足首の状態を言い訳にすることなく、序盤から先頭集団で果敢にレースを進めた。しかしメダル圏内で迎えた残り1周、最後の水濠とラスト50m付近のハードルで他選手との接触があり、バランスを崩して失速。結果は8分35秒90の8位入賞となった。 レース後、不運な接触に対して日本チームは抗議を行ったが判定は覆らなかった。メダルを逃した悔しさは計り知れない状況であったが、三浦選手自身は決して他責にしたり環境を言い訳にしたりせず、「最後の最後で(この競技の)おもしろさ、難しさを感じる」と冷静にコメント。さらに、地元の大歓声に対して「観客の声が地響きのようだった」と深い感謝を述べた。 |
| 競技 | 陸上競技 |
| 評価 | 尊重◎/勇気〇/覚悟◎ |
| 選考理由 | 国内外の選手が活躍し、世界記録や日本記録が更新される場面も見られるなど、日本中が熱狂に包まれた東京世界陸上。三浦龍司選手も、3000m障害日本勢初のメダル候補として多くの注目を集めていたが、不運も重なり悲願のメダル獲得はならなかった。 不可抗力のアクシデントや不利な判定、あるいは自身の怪我といった「アンコントローラブルな要素」に対して言い訳をせず、結果を真摯に受け入れることは極めて難しく、かつ重要な精神である。メダルを目前にしながらの接触と失速という残酷な結末に対し、相手選手や判定を非難するのではなく、むしろ「陸上競技の難しさと面白さ」として昇華してみせた三浦選手の態度は、競技そのものに対する極めて深い「尊重」の証である。また、満身創痍の状態で大舞台の重圧から逃げずにメダル争いを演じた「勇気」と、いかなる結果も自らの責任として引き受ける「覚悟」は、日本代表の誇りを示すものであった。結果としての順位以上に、トップアスリートとしての品格とスポーツの真の価値を社会に発信した功績は大きい。 |
吉田 亜沙美

| テーマ | 絶望を越え再びコートへ。「生きる勇気」を分かち合う覚悟 |
|---|---|
| 内容 | 一度は引退しながら現役復帰を果たし、パリ2024オリンピックへの出場を果たした女子バスケットボール界の至宝・吉田亜沙美選手。オリンピック後には、三菱電機コアラーズへ移籍し、さらなる飛躍が期待されていた2025年の夏、人生最大の試練に直面した。「浸潤性乳管がん」の宣告である。本人が「死を覚悟し、バスケットができなくなる絶望を感じた」と語るほどの衝撃であったが、家族の献身的な支えと「チームが待ってくれている」という絆を糧に、再び前を向いた。 手術と過酷なリハビリを乗り越え、2025年12月6日、Wリーグの舞台で実戦復帰。病を乗り越え、競技を愉しむ姿の裏には、多くのファンも知ることのなかった苦悩の日々があった。2025年12月31日、自身のSNSを通じて闘病の事実を公表。その決断の裏には、「同じ病で闘う方々に、少しでも勇気や希望を届けたい、一歩踏み出すきっかけになりたい」という、アスリートの枠を超えた利他的な願いがあった。自らの弱さや苦難を隠すのではなく、希望の灯として社会に共有したその行動は、困難に立ち向かうすべての人への力強いエールとなっている。 |
| 競技 | バスケットボール |
| 評価 | 尊重〇/勇気◎/覚悟◎ |
| 選考理由 | 自らの生命を脅かす病を宣告されながらも、「何としても復帰する」と誓い、実際にコートへ戻ってきたプロセスは、スポーツを愉しむための「覚悟」の極致である。また、自身の闘病という極めてデリケートな事実を、他者や社会に希望を与えるために公表した決断は、他者を尊重し、高め合おうとするスポーツマンシップの本質に根ざした「勇気」ある行動である。スポーツが単なる勝敗を競うものではなく、困難に直面した人間がいかに高潔に振る舞い、他者を鼓舞できるかを示すものであることを、彼女は身をもって証明した。病と共に歩みながらも、トッププレーヤーとして、そして「Good Fellow」として光を放ち続けるその姿勢は、本賞の理念を完璧に具現化している。 |
日本スポーツマンシップ大賞 ヤングジェネレーション賞 ノミネート
サッカー日本代表(U-17)

| テーマ | ピッチの外でもよき仲間、国境を越えて分かち合うリスペクト |
|---|---|
| 内容 | 2025年11月、カタールで開催されたFIFA U-17ワールドカップにおいて、サッカーU-17日本代表は、同宿となったU-17メキシコ代表との間で国境を越えた美しい友情とスポーツマンシップを育んでいた。グループステージ期間中、試合に向かう日本代表をメキシコ代表が花道を作って見送れば、メキシコの試合日には日本代表も同様に花道を作ってエールを送るなど、互いにリスペクトを示し合う交流が連日続いた。さらに日本が首位通過を決めた後には、他グループの結果次第となっていたメキシコの命運を握る試合を、両チームの選手たちがホテルの食事会場でスマートフォンの画面越しに固唾を呑んで見守った。そして、メキシコの決勝トーナメント進出が決まった瞬間、日本の選手たちはまるで自らの勝利のように立ち上がってガッツポーズを見せ、メキシコの選手たちと次々に熱い抱擁を交わして喜びを爆発させた。言語や国境の壁を越え、他国の歓喜を共有する若き日本代表の振る舞いは、「若者が世界にお手本を示した」「これこそがスポーツの素晴らしい光景」と世界中から大きな称賛を浴びることになった。 |
| 競技 | サッカー |
| 評価 | 尊重◎/勇気〇/覚悟〇 |
| 選考理由 | 世界大会・国際大会という重圧のかかる舞台裏で、尊重の精神を体現した若きアスリートたちの姿勢を高く評価する。U-17サッカー日本代表の選手たちにとって、他国の代表チームは単なる「競争相手」ではなく、同じサッカーという競技を愛し、同じ大舞台を戦い抜く「仲間」であった。ライバル国の勝利や予選突破を心から喜び、抱き合ってたたえるその姿は、スポーツが持つ「人と人とを繋ぐ力」の本質を見事に表している。ピッチの外でも他者に対する思いやりと敬意を忘れなかった彼らの振る舞いは、次世代のスポーツマンの希望となる行動であった。 |
スティーブン・ムチーニ(創価大学)・野中恒亨選手(國學院大學)・ヴィクター・キムタイ(城西大学)

| テーマ | 出雲駅伝でライバル同士が認め合い、見せた「ともに競う」姿勢 |
|---|---|
| 内容 | 2025年10月13日に行われた「第37回出雲全日本大学選抜駅伝(出雲駅伝)」の3区(8.5km)において、スポーツの美しさを象徴する「給水リレー」が見られた。5キロ過ぎ、先頭を追うし烈な2位集団での出来事である。創価大学のスティーブン・ムチーニ選手が自らの給水ボトルを口に含んだ直後、横を並走する國學院大學の野中恒亨選手へそのボトルを手渡した。さらに、受け取った野中選手は給水後、城西大学のヴィクター・キムタイ選手へとボトルを渡し、3校のライバルたちの間で自然発生的に水が共有されたのである。駅伝は大学の威信とタスキを背負い、1秒を削り出して順位を争う極めて過酷な競技である。しかし、極限の疲労とプレッシャーの最中において、選手同士が互いのコンディションを気遣い支え合う姿は、競技の枠を超えた崇高な価値を示した。事前に打ち合わせたものではなく、その場の状況判断から生まれたこの自発的な助け合いは、多くの観客や視聴者に強い感動を与え、「あっぱれ」「素晴らしい光景」と大きな反響を呼んだ。 |
| 競技 | 陸上競技 |
| 評価 | 尊重◎/勇気〇/覚悟〇 |
| 選考理由 | 「尊重(Respect)」とは、相手を「敵」としてではなく、ともにグッドゲームを創り出す『よき仲間(Good Fellow)』として認めることである。本事例における給水リレーは、大学間の熾烈な競争という枠組みを越え、目の前の相手を自発的に支え合った点において、その「尊重」の精神を完璧に体現している。1秒のロスが勝敗を分ける極限状態のレースにおいて、自らの記録やチームの順位に影響を及ぼすリスクを背負ってまで他者を気遣い、ボトルを差し出す行動には、大きな「勇気」が伴う。勝敗至上主義に偏りがちな現代の競技スポーツにおいて、人と人との繋がりや思いやりの価値を再認識させたこの象徴的な出来事は、学生スポーツにおけるあるべき姿を社会に提示していることから高く評価された。 |
常松 広太郎(慶應義塾大学 野球部)

| テーマ | 約束された安定より、過酷な夢を。22歳が示した究極の「覚悟」 |
|---|---|
| 内容 | 慶應義塾大学野球部で主軸として活躍した常松広太郎選手は、2025年秋のNPBドラフト会議で指名漏れを経験したのち、世界的な金融大手「ゴールドマン・サックス」への就職内定を辞退し、MLBのシカゴ・カブスとマイナー契約を結ぶという異例の決断を下した。 常松選手は約束されたエリートとしての将来を手放した理由を「人生の中で一番体力を投下できる20代に、一番大きな挑戦をしたい」と力強く語った。また、自身の背中を押してくれた堀井哲也監督に対して、「人生の恩師」と慕い、自分を育ててくれた大学野球の環境に対する深い感謝とリスペクトを表明した。成功の保証がない過酷なアメリカのマイナーリーグから這い上がるという、己の情熱と可能性にすべてを懸けるその姿勢は、日米の野球ファンのみならず広く社会から大きな注目を集めることになる。 |
| 競技 | 野球 |
| 評価 | 尊重〇/勇気◎/覚悟◎ |
| 選考理由 | 人生を懸けた究極の選択をする「覚悟」を社会全体に示した点を高く評価した。困難に立ち向かい、自らの限界に挑み続け、それを愉しむ姿勢。最高峰の金融機関での安定したキャリアを捨てて、ゼロから這い上がることをめざすいばらの道を選んだ常松選手の決断は、まさにこの「覚悟」に他ならない。ドラフト指名漏れという挫折を真摯に受け止めつつも決して夢を諦めず、新たな道を切り拓く過程で恩師や周囲への「Respect」の念を忘れない実直な態度も、すべてのスポーツマンが手本とすべき姿である。彼の挑戦は、スポーツの枠を超えて多くの若者や人々に勇気を与えるものである。 |
松島 輝空

| テーマ | 逆境を言い訳にしない。18歳が超アウェーで示した「理知的な覚悟」 |
|---|---|
| 内容 | 2025年12月、中国・成都で開催された卓球の混合団体ワールドカップにおいて、18歳の松島輝空選手は、異様な「超アウェー」の環境下で見事な精神性と振る舞いを示した。当時、日中間の事情などから日本に対する風当たりは強く、日本戦では常に対戦相手に対して会場から大声援が送られるという、選手にとって精神的に極めて厳しい状況にあった。大会期間中、この異様な雰囲気について問われた松島選手は、不満や言い訳を一切漏らすことはなかった。彼は「日本が応援されることは少ないんです」と現実を率直に受け入れた上で、「今いろいろな関係がありながら、中国の方々が他の国を応援することは今後も多分あり得ることなので、まあそれも踏まえてしっかりプレーしていけたらいいかなと思います」と冷静にコメント。自身ではコントロールできない複雑な外部要因をあるがままに受け止め、自らのプレーへの集中力へと昇華させるこの姿勢は、地元・中国のメディアからも「年齢を感じさせない成熟した考え」「理知的な対応」として大きな称賛を集めた。 |
| 競技 | 卓球 |
| 評価 | 尊重◎/勇気〇/覚悟◎ |
| 選考理由 | 国際大会という大舞台、かつ極めて過酷な環境下で「尊重」を体現した若きアスリートとして高く評価する。いかなる状況下でも自らの感情をコントロールし、アウェーの空気や観客の反応などという与えられた環境を受け入れ、決して言い訳をしない「覚悟」が真のスポーツマンには求められる。松島選手は18歳という若さでありながら、自分たちを取り巻く複雑な逆境において、他者や環境を一切責めることなく、自らが成すべき「プレーに集中する」ことのみに矢印を向けた。周囲の逆風をもフラットに受け止め、己の成長と実力発揮の糧とするその理知的な姿勢は、すべての競技者が手本とすべきスポーツマンシップの境地である。 |
山田望意(慶應義塾高校 野球部主将)

| テーマ | 「最高の大会に」。高校野球の常識を変えた、異例の“提案型”選手宣誓 |
|---|---|
| 内容 | 2025年7月7日、第107回全国高等学校野球選手権神奈川大会の開会式において、慶應義塾高等学校の山田望意主将が行った選手宣誓は、従来の形式を打破する画期的なものであった。山田選手は宣誓の冒頭、列席する172チーム(188校)の選手たちに向かって「選手の皆さんにお願いがあります」と語りかけ、「今大会中、お互いの好プレーに対して、拍手や歓声を送り、称え合うことにしませんか」と、敵味方を超えたリスペクトの姿勢を具体的に提案したのである。この異例の呼びかけの背景には、同校が大切にする「エンジョイ・ベースボール」の精神と、山田選手自身の深い洞察があった。彼は、本来スポーツは対戦相手がいて初めて成立するものであり、高め合うパートナーであるという本質を突いた。勝利を至上命題とするトーナメントにおいて、相手を倒すべき敵とみなすのではなく、ともに「Good Game」を創り上げる存在として提案したのである。 宣誓後、この大会では、際どいアウト・セーフの判定や好捕に対して、ベンチやスタンドから自然と称賛の拍手が送られる光景が散見された。一人の高校生が公の場で発した「提案」は、勝利を追求する緊張感の中に、相手を尊重し競技そのものを愉しむというスポーツマンシップの原点を呼び起こした。この行動はSNSやメディアでも「高校野球の新たな一歩」として広く拡散され、多くの感動を呼んだ。 |
| 競技 | 野球 |
| 評価 | 尊重◎/勇気◎/覚悟◎ |
| 選考理由 | JSAが掲げるスポーツマンシップの三要素「尊重・勇気・覚悟」を極めて高い次元で体現している。対戦相手を称え合うことを公衆の前で約束しようと呼びかけた点は、相手を共にゲームを創るパートナーと見なす「尊重」の極みである。また、前例のない「提案型」の宣誓を大舞台で行うには、周囲の反応を恐れず自らの意志を貫く「勇気」が必要であったことは想像に難くない。さらに、この呼びかけは自らにも同様の振る舞いを課す「覚悟」の表明でもある。 「Good Gameをめざして自らプレーする」という理念を、ただ言葉で語るだけでなく、具体的な仕組みの提案として社会に示した功績は極めて大きい。勝利をめざして全力を尽くすことと相手を敬うことは矛盾しないことを、学生年代のリーダーが自発的に示した点に「ヤングジェネレーション賞」としての深い意義を認め、ここにノミネートする。 |
吉川陽大(仙台育英高校 野球部)

| テーマ | 号泣の直後、死闘を演じた相手の元へ、熱投の果てに見せた誇り |
|---|---|
| 内容 | 2025年8月17日、全国高校野球選手権大会の3回戦、仙台育英(宮城)対沖縄尚学(沖縄)の試合で、仙台育英のエース・吉川陽大投手が見せた試合直後の振る舞いが、多くのファンの心を打った。 吉川投手はこの試合に先発し、延長11回、151球を一人で投げ抜く壮絶なマウンドを見せた。しかしタイブレークの末に勝ち越しを許し、奇しくも11回裏、自身が最後の打者となってしまう。一塁へ執念のヘッドスライディングを試みるも及ばずアウトとなり、ベース上に倒れ込んで号泣した。審判に促されて立ち上がると、整列をして深々と一礼した直後、吉川投手は自らの涙を堪えながら、この日169球を投げて投げ合った相手エース・末吉良丞投手の姿を探し出し、自ら歩み寄って声をかけた。敗戦の絶望のただ中にありながら、真っ先に相手をたたえるこの姿に「涙の中で相手をたたえる姿、本当に高校球児の誇り」「こちらが大号泣した」と、SNSやメディアで大きな称賛が寄せられた。 |
| 競技 | 野球 |
| 評価 | 尊重◎/勇気〇/覚悟〇 |
| 選考理由 | 日本スポーツマンシップ大賞2024グランプリに輝いた須江航監督率いる仙台育英高校では、Good Loserとしての姿勢を大切に教育している。延長11回を投げ抜いた後、自らが最後の打者になるという形での敗戦、自身の悔しさや悲しみよりも相手へのリスペクトを優先する吉川投手のふるまいは決して容易なことではない。倒れ込むほど泣き崩れた直後、自ら相手投手の元へ歩み寄り健闘をたたえ合った吉川投手の行動は、相手を深く思いやる「尊重」の念の賜物であり、勝敗という結果を超えて、互いに全力を尽くした相手を敬い合うその純粋な姿勢は、深い感動と手本を示すものであった。 |
発起人・川淵三郎氏よりメッセージ
スポーツマンシップを身につけた真のスポーツマンこそが
現代の日本にもっとも必要な存在である。

川淵三郎(一般社団法人日本トップリーグ連携機構 代表理事会長)
各賞概要
日本スポーツ界において、尊重・勇気・覚悟に代表されるスポーツマンシップを発揮した中で、最も印象的な個人・団体を「グランプリ」として、学生など若い世代を対象とした最も印象的な個人・団体を「日本スポーツマンシップ大賞 ヤングジェネレーション賞」として表彰します。
審査委員
※敬称略/50音順、肩書きは2026年6月4日時点
審査委員長
中村 聡宏(一般社団法人日本スポーツマンシップ協会 代表理事 会長/立教大学 スポーツウエルネス学部 准教授)
審査委員
江口 桃子(一般社団法人日本スポーツマンシップ協会 理事/アナウンサー)
太田 雄貴(公益財団法人日本オリンピック委員会(JOC)専務理事/国際フェンシング連盟 理事)
大山 加奈(一般社団法人日本ハンドボールリーグ 理事/一般社団法人日本女子ソフトボールリーグ機構 理事/元バレーボール日本代表)
島田 慎二(公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ 代表理事CEO(チェアマン)/公益財団法人日本バスケットボール協会 会長)
高橋 勇市(パラリンピアン/アテネパラリンピック 視覚障害マラソン金メダリスト)
益子 直美(公益財団法人日本スポーツ協会 副会長/一般社団法人監督が怒ってはいけない大会 代表理事/一般社団法人日本スポーツマンシップ協会 理事/元バレーボール日本代表)
森林 貴彦(慶應義塾幼稚舎 教諭/慶應義塾高等学校 野球部 監督)
イベント参加方法
名称
日本スポーツマンシップ大賞 2026
目的
当該年度において優れたスポーツマンシップを発揮した個人・団体を表彰することで
スポーツマンシップの普及・啓発をおこなう
開催日程
2026年7月11日(土)15:20~18:00
開催場所
HRソリューションズ株式会社 セミナールーム
内容
・グランプリ、ヤングジェネレーション賞の発表
主催
一般社団法人日本スポーツマンシップ協会
会場参加される方へ(会場案内)
開催場所:HRソリューションズ株式会社 セミナールーム
(東京都中央区日本橋3-10-5オンワードパークビルディング10階)
最寄り駅:東京メトロ/都営「日本橋」駅より徒歩約5分、またはJR「東京駅」より徒歩約10分
会場までの詳しいアクセス方法はこちらをご参照ください
・自家用車で来場される場合は、会場近隣のコインパーキング等をご利用ください(会場ビル地下駐車場は利用不可)
・イベント開始20分前(15:00)より受付いたします。
・お申込み後のキャンセルおよび返金はお受けしておりません。予めご了承ください。
・「会場参加チケット」をお申込みされていない一般来場者のご参加はお断りいたします。
オンライン参加される方へ
・イベント開始5分前より入室いただけます。
・お時間になりましたら、「イベントに参加」ボタンからZoomウェビナーに入室ください。
(Peatixにログインする際に、Peatix IDとパスワードが必要になります)
※取材希望の方はこちらよりお申込みください。
過去の受賞者
日本スポーツマンシップ大賞 2025
日本スポーツマンシップ大賞 2024
日本スポーツマンシップ大賞 2023
日本スポーツマンシップ大賞 2022
日本スポーツマンシップ大賞 2021
日本スポーツマンシップ大賞 2020